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小泉 光生; 坂佐井 馨; 呉田 昌俊; 中村 仁宣
日本原子力学会誌ATOMO, 58(11), p.642 - 646, 2016/11
核セキュリティ、保障措置分野では、核分裂に伴う中性子を検出する検認装置としてHe検出器を利用したものが広く利用されている。検出器に利用されるHeガスは、主に米国におけるストックから供給されてきたが、2001年9月11日の同時多発テロ以後、大量のHe中性子検知装置を米国内に配備したことから、在庫が減少し、供給が近い将来停止する状況になりつつあった。そうした中、2011年3月末のHe代替中性子検出技術に関するワークショップにおけるIAEAのHe代替非破壊分析装置開発の呼びかけに応じ、原子力機構においても、J-PARCセンターが開発したZnS/BOセラミックシンチレータをベースにHe代替検出器の開発を行い、平成27年3月には、開発した中性子検出装器の性能試験及びそれを実装した核物質検認用非破壊分析(Non-Destructive Assay (NDA))装置の性能実証試験を実施した。本解説では、開発した検出器、代替NDA装置を紹介し、あわせてHe問題の顛末を報告する。